ダークナイト

新宿で鑑賞。中身の具体的な話はさておき、とにかく凄い。
バットマン・ビギンズ」の続編で、ティム・バートン版にあった箱庭的ゴッザムシティではなく、普通のロケを多用することでゴッサムシティを描いているので、それだけでリアルに思えてしまう罠。しかもリアル度は前作より、相当アップ。それは初っぱなの銀行強盗シーンからそうで、まるで普通のギャング映画だし*1
つまりは極めて日常的な風景の中で、浮きまくっているバットマンジョーカーが一般人を巻き込んで、正義だとか悪だと言っている話。
……だからこそヒーロー映画として、ある意味極めている。
悪と正義がスレスレのレベルで(良くも悪くも)支え合っている現実に、突拍子もない力を持った正義が出現するとどうなるか? そのシミュレーションを描いているようで、そりゃもう鳥肌モノ。同じDCのスーパーマンはおろか、マーベルでも描かなかった、正義の代償がリアルに、またストレートに見せられる。多分踏み込んじゃいけないレベルにまで至っていると思うし、これ。あまたのヒーローがいる日本でも多分ムリだろう〜という位の濃密さ! やっぱり日本のヒーローはファンタジーなんだと思い知らされてしまう。
また、ジョーカーが描かれる比重はバートン版と近いモノの、バートンが悪役とバットマンを等価値で見せていくのに対し、「ダークナイト」ではあくまでバットマンを描くための悪役として機能しており、前作以上に徹底的な追いつめられ方をするバットマンという構図がまたいい。この辺、今回の「ダークナイト」を経て、次回どんな変化をもたらしているか。あるかどうかはウワサのレベルだが、ワクワクするよ!
と中身の率直な感想はここまで。物欲方面ではバンダイバットマンバットポッドは鉄板として、バットモービルも欲しくなってしまった……ううう。

*1:銀行の警備員を演じていたのが「プリズン・ブレイク」のFBI捜査官マホーンの人だったので、微妙に意味ありげにも思ったりして