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仮面ライダー剣」が最終回を迎えました。
誰かしらがいなくならないと決着が付かないだろうという、落ち着きどころが見えづらい終わり方をした前回。その結果、自分を代償にすることで世界全体や特定の人物に決着を与える、というのは同じ會川脚本の「鋼の錬金術師*1だったりするのだが、それよりもキッツいラストだったと思う。……と言いつつ仮面ライダーそのものが自己犠牲ヒーローの代名詞みたいなものなのだけどね。

そんな最終回を見て一番思ったのは、これまでの剣崎というのは「仮面ライダーになろうとする男」だったこと。
「アギト」の際に、G3=氷川誠の解説用コピーとしてあらわされたものだけど、今回の剣崎にぴったりはまっていたんじゃないかなぁ〜。
職業として仮面ライダーを選んだ剣崎。最初は一人前とは言えず、いろんな人に翻弄されながら、また教えを受けながら、信頼すべき仲間を得て、仮面ライダーという名に相応しい勇士になっていく。そんな剣崎がたどり着いた先は、誰よりも過酷な宿命を背負って、戦いが終わっても自分の中に生まれた運命と闘うこと。「アギト」のときは人間(氷川)が神(アンノウン)に打ち勝つ力を持ったことで終了したが、「剣」はそれから先を描いて見せたのだと思う。
さらに、その運命を受け入れたのと同時に、一人去っていくというのは何となく昭和ライダーの匂いを感じさせるとこ。倒すべき敵を失ったライダーが次の戦いのために去っていったのと同じだからでしょう(違うのはハッピーエンドっぽく書いているか、いないかということ)。この辺を見ても、実は「剣」には70年代の匂いがするよなぁというのも最終回で得られた感想でしょうか(直球ってこういうことだったのかなぁ?)。
思えば平成ライダーの中でも、一際癖のあるライダーを見せてきた「剣」(「龍騎」の場合はライダーと言うより、キャラという表現があうのでちょっと意味が違うと思っている)。
戦士としてしっかりしていながらも人間的な弱さが目立った橘=ギャレン
ライダーになるきっかけから描かれ、迷いながらも戦いの中で成長していった睦月=レンゲル
アンデッドでありながら、人間へと変わっていった始=カリス。
……とこうしてみても剣崎が一番オーソドックスなライダーに見えてくるから不思議なもんです。
そういえば、人間世界で暮らしていくこととなった始だけど、これって「こうしてピノキオは人間として暮らしていくこととなりました……」っていう感じの「キカイダー(原作版)」という解釈でいいんでしょうな。そう考えるとテレビ朝日公式のTOPは剣崎だけでなく、他の誰しにもかかるようになるからね。
とまぁいろいろ書きましたが。設定的には細かく突っ込んでいくと微妙なズレがあったりするもんですが、これはこれでいいのかなぁ。また劇場版と繋がらないのももったいないような気がするけど、あれは「お祭り」という解釈で。

いろいろな受け取り方が出来る去年の「555」と違って、明確な答えを出したことは評価すべきだと思う。中盤のテンションや批判などいろいろあったけど、終わってみれば傑作だったのかなと素直に思えました。ともあれ来週からの「響鬼」には「剣」と違った部分で期待してます。

*1:それ以前にも「鉄人タイガーセブン」があるのだが