ファンタ万歳!

この土日、チケットを買っておいた東京国際ファンタスティック映画祭2004へ。
土曜日の「鉄人28号」。このところのマンガ映画への風当たりが強い中、全く情報が聞こえてこなかったため、本気で観るのが怖かったが、結果は○。以下ザッと雑感を書いてみる(ネタバレっぽいところもあるので注意)。
いじけ気味の子供が正太郎というのも不安材料だったが「アイアンジャイアント」に泣けた人ならOKというまとめ方、といったところ。オーソドックスに父と子(正確には、これに祖父もプラス)まで含めた金田家の因縁に、いかにして正太郎が向き合っていくかという、流れで現代に鉄人を持ってきているのは、設定上もはやしょうがないところ(ただ作られた背景がサラッとしすぎていたような気も→上映時間との関係でしょうがないのかもしれないが)。こうした中で少年の成長を描いていくということで、泣かされるのである。一方、映像表現上、最も不安だったCGによる鉄人は思いの外ナイスな出来(100点満点じゃないけど)。面白いのはリアル「リモートコントロールダンディ」だったこと。巨大なビル群の隙間に見え隠れする鉄人とか、ロングショットのときの感覚がまさにソレ。さらにブラックオックスのスムーズさと比べて、操縦に不慣れな初期の戦闘では動きがてんでバラバラだったりするのだ。これが微妙におかしいところ(初体験時のプレイを思い出して笑った)。ただひとつ、苦言を加えるならば、キメの「ガオーッ」の動きは軽すぎ、この辺りCGによる表現の課題なんだろうなぁと思ってみたり。
でもそれよりもっと声を大にして言いたいのは……村雨研二の扱い。不死身でもなんでもなければただの軽〜い刑事に成り下がっていた。キャラの使い方だけは気を使って欲しかったなぁ。
翌日、前売りが速攻で売り切れた「Zガンダム」は当日券も早々に完売で観られず……。で「まんがまつり外伝」を鑑賞。入場時にはレアグッズとして宣伝されていた「スライム(もちろん緑、ただし注意書きなどでパロディしまくっているので多分販売は無理)」と「とあるキャラクターが描かれた紙帽子」の二つ。庵野、樋口、深作氏によるトークも面白く「ガンマー第3号宇宙大作戦」をハレの場で観られることで気分は上々。しかもよく見てみると名ゼリフの連発だったことに気付かされる(隕石が接近してきていてもその理由については「そんなことはどうでもいい」と言い切ったり)。
こうしてやや爆笑の渦の中、もう一本を観ることとなるのだが「なぜか」ここで観たことは忘れるように、という不思議なお願いが司会のショッカー大野氏より告げられる。ま、今まで封印されてきていたのだからしょうがないのかも知れないが、ここは素直に忘れることにしよう(DVDの告知も今は観られないしね)。
が……ひとつだけ。ミラノ座の舞台上でロープにぶら下がったのは後にも先にも「彼」ひとりだけであるだろう、と。